私はこれまで「X線」を英語で書くとき、当然のように「X-ray」や「X-rays」と、「X」を大文字で書いてきました。
しかし先日、「文頭でない場合は x-ray と小文字で書いたほうがいいのでは」と指摘を受け、調べることに。
その結果、どちらも使われることがあることが判明しました。以下に、それぞれどこで使われているか、どのような傾向があるのか、など調べたことを列挙します。
辞書サイトや質問サイト情報
・Wikipedia(English) では大文字の「X」が使われている(スペリングに x-ray(s), xray(s), X rays(s)を含むとも書かれている)。
・Wiktionary でも大文字の「X」が使われており、「x-ray は X-ray の別のスペリングである」と書かれている。
・Oxford English Dictionary (3rd ed.) でも大文字の「X」が使われている。
・その他、名詞や形容詞として使われる場合は大抵、「X-ray(s)」である。
・Merriam-Webster では名詞については大文字の「X」、動詞(e.g., …be x-rayed)については小文字の「x」が用いられている。
・「Corpus of Contemporary American English(言語の動向や使用頻度などを検索可能な巨大データベース)」によると、大文字の「X」は小文字の「x」よりも2倍程多く使われているとのこと。
・「British National Corpus」によると、大文字の「X」は小文字の「x」よりも11倍程多く使われているとのこと。
【参考にさせて頂いたサイト様】
https://en.wikipedia.org/wiki/X-ray
https://en.wiktionary.org/wiki/X-ray
https://en.wiktionary.org/wiki/x-ray
http://www.merriam-webster.com/dictionary/x-ray
http://www.learnersdictionary.com/definition/X%E2%80%93ray
http://www.learnersdictionary.com/definition/x%E2%80%93ray
http://english.stackexchange.com/questions/9891/capitalization-of-x-in-x-ray
Google Scholar による動向調査
かなり雑な調べ方ですが、「Google Scholar」を使って「x-ray」が登場する論文についても調べてみました。文頭以外で「x-ray」が使われていることが容易に確認できるもの限定で、順番に100本の論文を調べたところ、「X-ray」が71例、「x-ray」が29例でした。約2.45倍の差です。
同様に「x-ray CT」が登場する論文についても調べてみました。順番に100本の論文を調べたところ、「X-ray CT」が75例、「x-ray CT」が25例でした。ちょうど3倍の差です。
大文字のほうがもっと多いと思っていたのですが、小文字のものもそこそこありました。
また、これは論文雑誌の既定などによるものなのかもしれませんが、「タイトルは大文字の X, 本文は小文字の x 」という論文が多く見受けられました。タイトルの単語が全て大文字、というわけではなく、先頭の単語の頭文字とタイトル中の「X」のみが大文字になっているということです(上の調査において、この場合は小文字の x-ray としてカウントしました)。すなわち、タイトルだけで見るとさらに大文字の「X-ray」が使われている割合が増加することになります。もう一点、これは稀なケースでしたが、タイトルは「x-ray」で本文中は「X-ray」と表記している論文もありました。
結局のところどっちを使うべきか、はっきりとはわかりませんでしたが、大文字の「X」が多く使われていることは確実のようです。小文字の「x」を使うとなんだか通っぽい感じもして良いのですが、私は一先ず大文字の「X」で行こうかと思います。
すばらしい!
大文字の方がはるかに多いんですね。
私は気にもしませんでしたよ。
しろうさぎ様
コメントありがとうございます。
私も先日指摘されるまで、全く気にしていませんでした。
多くの(英国以外の)ネイティブの方々も気にされていないようでしたので、些細なことなんだと思います。
日本語で言うところの「取り扱い」と「取扱い」の差くらいでしょうか。